このコラムの目次
1.肩こりの原因とは?
今回は、「肩こりになりやすい姿勢」について書いていきたいと思います。日頃、肩こりを感じている人の割合は8割を超えると言われています。デスクワークの方は特に多いと思いますが、主な原因は姿勢の悪さです。
一般的に多いもので「猫背」や「肩の内巻き」などが上げられます。
1−1.肩関節の構造
肩関節は主に鎖骨、上腕骨、肩甲骨の3つの骨で構成されています。鎖骨は肩甲骨をより良く動かせるようにしてくれて、肩甲骨は上腕骨の土台のような役割があります。このように、肩は3つの骨が連動して動くようになっています。
1−2.肩甲上腕リズム
肩関節を挙上させる際の上腕骨と肩甲骨の動きのリズムです。肩を上げた時、側から見ると腕しか動いていないように見えますが、この時同時に肩甲骨も一緒に動いているのです!
その割合が、腕を上げた時の上腕(腕)と肩甲骨が2:1で動いている状態を肩甲上腕リズムと言います。
1−3.肩こりの原因となる筋肉は?
主に、僧帽筋・広背筋・肩甲骨の3つの筋肉が硬くなることによって肩こりが起きやすくなります。
これらが硬くなってしまうと肩自体を動かせる可動域がとても狭くなってしまうので、体にかかる負担が肩だけに集中してしまい肩こりが起きてしまいます。
2肩こりになりやすい姿勢
ここでは肩こりになりやすい姿勢について解説していきます。今回は体全体の問題として「猫背」肩の問題として「巻き肩」をあげていきました。
2−1.猫背
大きな原因としては、大胸筋が硬くなることで猫背が起こりやすくなってしまいます。この筋肉が硬くなると、同時に肩甲骨も硬くなり外側に開いてしまうので頭が前にでた状態になり、そのまま連動して背骨が丸まってしまい猫背の姿勢になってしまいます。
2−2.肩の内巻き
こちらも大胸筋の硬さが原因で起こりやすい姿勢です。それと同時に上腕二頭筋(二の腕)も硬くなってしまい、肩が内側に入る姿勢になりやすくなります。
3.肩こりにならないコツ
さて原因の筋肉や姿勢がわかったところで肩こりにならないようにするにはどうすれば良いか?を考えていきましょう。ここでは3つあげていきますので当てはまるものがあればぜひ、対策を取ってみてください。
3−1座り方対策
一番悪い座り方は、骨盤が後ろに倒れて浅く椅子に座っている状態です。この座り方が続くと背中が丸まってしまい肩が内側に入ってしまいます。なので、椅子に深く座り骨盤を立てた状態で座ると背中や肩に負担がかかりにくくなります。
3−2.冷え対策
冷えの一番の原因は血行不良です!長時間同じ姿勢を取り続けている状態や、運動不足などで起こりやすくなってしまいます。数時間に一度デスクを離れて歩くようにしたり、普段の生活でもストレッチやウォーキングなどで筋肉を動かすことで冷え性対策ができます。
3−3目の疲労対策
パソコン作業が多い方は、照明の明るさに注意したり画面に近づきすぎないように注意しましょう。目の周りを濡れタオルで温めたり冷やしたりすると、血行が良くなり目の疲れが和らぎます。
4.姿勢について
ここでは肩こりになりにくい良い姿勢と悪い姿勢についてお話していきます。冒頭でもお話した通り肩こりのだいたいは悪い姿勢からくるのです。
4−1.良い姿勢とは?
良い姿勢とは、耳からくるぶしまでがまっすぐであることです。横から見たときに、耳からくるぶしまでが一直線になっている状態が正しい姿勢と言われています。耳からくるぶしまでが一直線になると背骨が緩やかなS字を描き体の負担が一番少ない状態を作ることができます。
>5.ストレートネックとは
ここでは近年よく目にするようになった言葉、ストレートネックについてお話していきます。まずは首の骨の構造から学んでいきましょう。
5−1首の構造は?
首は頚椎という7つの骨で構成されています。頚椎と頚椎の間には椎間板という組織があり、これが首を前後左右に動かすクッションのような役割があります。
なんでストレートネックになるの?
- 長時間同じ体勢で座る
- パソコンやスマートフォンなどを使うときの前かがみ姿勢
- 姿勢を維持するための筋力が不足している
などが主な原因としてあげられます。
悪い姿勢の解説でもお伝えした通り前傾姿勢が続くと、同時に頭も突き出た状態になってしまいます。そうすることで、本来は首にくぼみがあるのが正常ですがくぼみがなくなってしまい、まっすぐな状態になってしまうのでストレートネックになってしまいます。
6肩こりを治すストレッチ
さて、では肩こりはどのように直していけば良いでしょうか?まずは肩こりを治すセルフストレッチをいくつか紹介していきます。
6−1肩甲骨のストレッチ
- 手で肩を掴みます。
- そのままゆっくり後ろに回していきます。
- 胸の前に両手が来たときに肘同士を合わせます。
- 5回ほど行い、逆回しも同じように5周します。
6−2広背筋のストレッチ
- フラットな場所に座り、片足を曲げます。
- 曲げた足の方の手を真上に上げます。
- 伸ばしている足の方向に上体をひねり、腕を斜め上に引っ張られているように伸ばします。
- 反対側も同じように行います。
6−3大胸筋のストレッチ
- 壁の角に立って腕を広げます。
- 肘を曲げて左右の壁に腕をつけます。
- 肩甲骨を寄せるイメージで胸を広げます。
- 広げた状態で20秒〜30秒キープし、ゆっくりと元に戻します。
6−4大臀筋のストレッチ
- 床やマットの上で両膝を立てて座り、後ろに体重をかけます。
- 右足を曲げて、左足の太ももにかけます。
- そのままゆっくり体を前に倒していきます。
- 20秒程キープできるところで止め、ゆっくり戻していきます。
- 反対も同じように行います。
6−5首のストレッチ
- 左手で右肩を掴み、手のひらで鎖骨を押さえます。
- 鎖骨を押さえながら首をゆっくり後ろへ倒し、顎先を軽く上に向けます。
- 首を後ろに曲げたままゆっくり左に倒し、顎先を右上に向けます。
- 伸ばしながら深呼吸を行います。
- 5回程行ったら、反対も同じように繰り返します。
7オフィスでできる肩こりを治すストレッチ
仕事中に肩こりを軽減できたら最高ですよね!ここではオフィスで座って出来る肩こり対処法をお伝えしていきます。
7−1オフィスでできる肩甲骨のストレッチ
- 座った状態で背筋をしっかりと伸ばします。
- 右手を痛みの出ないギリギリまで後ろに下げます。
- そのまま痛みの出ない範囲で上げていき、限界の位置で止めます。
- 止めた位置で手のひらを左右に10回ひねります。
- ゆっくりと元に戻し、左手も同じように行います。
7−2オフィスでできる広背筋のストレッチ
- 椅子に浅く座り背筋を伸ばします。
- 両手を肩の高さまで上げます。
- 左手で右手首をつかみ、上体を左側に捻ります。
- ゆっくりと左手で遠くに引っ張りながら背中を丸めます。
- 顎を引いておへそを覗きながら20秒〜30秒キープします。
- 反対側も同じように行います。
7−3オフィスでできる大胸筋ストレッチ
- 足を肩幅よりも少し広めに開きます。
- 両手を体の後ろでつなぎます。
- 背中は丸めずに、腰から上半身を倒していきます。
- 体を90度程曲げたら、20秒キープしゆっくり戻ります。
7−4オフィスでできる体幹捻りストレッチ
- 両手を頭の上で組み、息を吐いて状態をねじります。
- 肩から下をしっかり捻るように意識しながらキープします。
- 状態を正面に戻し、反対も同じように捻ります。
7−5オフィスでできる首のストレッチ
- 片手を後ろに回し、反対の手を伸ばす方の耳の上あたりに置きます。
- 手で押さえながら頭を真横に倒します。
- 反対側も同じように行います。
8ベッドで寝ながらできる肩こりを治すストレッチ
ここでは寝る前の数分で肩こりを解消できるストレッチをいくつかお伝えしていきます。
8−1寝ながらできる肩甲骨のストレッチ
- 仰向けに寝て、両膝を両手で抱えます。
- 体全体で右側に転がります。
- 反対側も同じように行います。
8−2寝ながらできる広背筋ストレッチ
- 体を横向きにして寝ます。
- 背中の方で手を組みます。
- 足、背中、腕を後ろに引っ張るように胸を広げます。
- 5秒程キープし、ゆっくり元の位置に戻します。
8−3寝ながらできる大胸筋のストレッチ
- 座布団やブランケットを敷いて高低差を作ります。
- 座布団の上に仰向けで寝ます。
- 膝を立てて両手を左右に広げます。
- 腕を曲げた状態で20秒〜30秒キープし、ゆっくり戻します。
8−4寝ながらできる体幹捻りストレッチ
- 仰向けに寝て両手を左右に広げます。
- 片足を上げ腰を捻って足を床につけます。
- 足を伸ばしたまま半円を描くように反対も繰り返します。
- その時、肩が床から浮かないように注意しましょう。
8−5寝ながらできる首のストレッチ
- 仰向けに寝て、頭を枕に乗せます。
- 自然に目線がおへそあたりを見られる高さにして、そのままキープします。
- それだけで首の後ろが伸びてきます。
9肩こりを治すパーソナルストレッチ
肩こり解消の即効性を求めるのであればプロに任せるのが一番です!ここではプロの技をいくつか紹介していきます。
9−1肩甲骨はがし
片手で肩甲骨を掴み引っ張ったり、引きながら回していきます。硬くてはがせない場合は、周りを緩めながら動かしていきます。肩甲骨自体を動かすことで肩こりの原因を潰していき改善につなげます。
9−2座位の大胸筋パーソナルストレッチ
頭の後ろで手を組んでいただき、後ろから両肘を掴み引いていきます。大胸筋を最大までストレッチするにはこの姿勢が一番!今までにないほどのストレッチ感が得られます。
9−3広背筋のパーソナルストレッチ
左手で伸ばす方の腕を持ち、右手で浮いてくる肩甲骨を押さえます。そのまま腕を倒しながら真上に伸ばしていきます。広背筋はなかなかセルフではしっかりと伸ばせない部位です。パーソナルで行うことにより、強くストレッチすることができるため柔軟性が上がりやすいです。
9−4首のパーソナルストレッチ
肩を両手で掴み真下に引いていき、首から肩にかけてを伸ばしていきます。首こり、肩こりの原因になる筋肉を伸ばしていき解消させるやり方です。首にあるような小さな筋肉でもパーソナルストレッチであればしっかりと伸ばして緩めることができます。
10肩こりを治すエクササイズ
柔軟性が出てきたらさらに肩甲骨や背中の筋肉を動かして肩こりを解消しましょう!ここでは3つのエクササイズを紹介します。
10−1タオルラットプルダウン
- 対象筋:広背筋
- 補助筋:上腕二頭筋
- 両足を開き、膝を曲げて状態を少し前に倒します。胸を張り、タオルの両端を握ります。
- タオルの両端を外側へ引っ張りながら、頭の後ろを通って下ろせるところまで下ろします。
- 最後まで下ろしたら、また元の位置に戻します。
10−2ペットボトルシュラッグ
- 対象筋:僧帽筋
- 補助筋:菱形筋
- 両手にペットボトルを持ち、両足を肩幅に開きます。
- 肩をすくめてできるだけ高くペットボトルを上げた後最初の姿勢までペットボトルを下ろす動作を繰り返します。
10−3タオルローイング
- 対象筋:広背筋
- 補助筋:上腕二頭筋
- 両足を広く開いて膝を曲げます。
- 上体を伸ばして前傾姿勢になり、手のひらを上にして肩幅でタオルを握ります。
- タオルを伸ばしながら肘を引きます。
11おわりに
いかがでしたか?当店にご来店いただくお客様の中でも特に多い不調ですが、先程説明したストレッチやエクササイズで柔軟性を上げたり、筋肉を鍛えることによって改善に近づいていきますので、ぜひ試してみてくださいね!
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