今回のテーマは「高齢者と筋トレ」です。
人生100年時代と言われていますが、みなさん現在の平均寿命はご存知でしょうか?2018年の平均寿命は女性87.32歳、男性81.25歳で最高を更新したようです。
最高の更新はなんと、女性が6年連続で男性が7年連続とのことですので、毎年平均寿命が延びているという事になります!せっかく長生きできるならやりたいことに不自由なく取り組むことができる!そんな体をキープしたい、もしくはそんな体を手に入れていきたいのではないでしょうか。
しかし人間の体は20代から徐々に退化していきますので、トレーニングやウォーキング、適度な運動を習慣づけていかなくては、いくら若くとも体力・足腰共に弱っていってしまいます。なにかやった方が良いのは分かるけど、何をおこなえば良いのか分からない…という方が多いのではないかと思います。
今はなにもやっていないという方、今からでも大丈夫です!この記事では、高齢者がトレーニングをおこなう事によって期待できる効果やトレーニングを行う時に気をつけるポイントをお伝えした上で、私がオススメするトレーニングをご紹介していきます。
この記事を読み終えた頃には、トレーニングを実践したくなること間違いなしです!皆様がイキイキとした生活を送るためのお手伝いができればと思いますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
このコラムの目次
高齢者が筋トレをしないとどうなる?
先ほど人間の体は20代から徐々に衰えが始まっていくとお伝えしましたが、高齢者が筋トレをしないとどうなるでしょうか?2つのキーワードを使ってお伝えしていきたいと思います。
まず、一つ目は「ロコモティブシンドローム」です。
骨や関節、筋肉などの運動器の衰えが原因で「立つ」「歩く」などの機能が低下してしまった状態をいいます。筋肉や骨、関節などは運動や日常生活によって負荷をかける事によって維持されていますので、運動習慣をつけることが生活を充実させる為に大切だといえます。
筋力が低下することによって、足が上がりづらくなりちょっとした段差で転んでしまったり、ふとした時に体を支えることができずに大きな怪我に繋がってしまったりします。筋力が落ちると転んだ時に擦りキズで済むことの方が少なく、骨折などを併発させてしまうケースが多く見られるので強く丈夫な体づくりをおこなう為にも筋トレはとても大切なのです。
二つ目は「フレイル・サイクル」です。
加齢などによって筋肉量が減少し、活動量が減ってしまうとエネルギーの消費量が低下します。エネルギーの消費が低下することで食欲が湧きにくく十分な栄養が摂取ができず、体重の減少に繋がり健康障害を起こしやすくなるのです。
このように加齢が原因によって起こる悪循環をフレイル・サイクルと呼んでいます。
フレイルサイクルの中には「サルコペニア」と言って加齢による筋肉の減少によって筋力や身体機能の低下を表す言葉もあります。日頃から体を動かす癖をつけていないと体力の低下と共に、何か行動に起こす意欲を失ってしまいやすいということから悪循環を引き起こします。
いつも元気にイキイキとした生活を送るための生活リズムを作る方法として、ぜひ筋トレを取り入れていただきたいと思います。
高齢者が筋トレを習慣化させたら?
筋トレを習慣化させるとどのようなメリットがあるのでしょうか。
筋トレをする事による一番大きなメリットとしては「体重を支えたり、体を動かすための筋力アップ」です。筋力が衰えると歩く・座る・立つという動作が辛くなってしまったり、骨や関節・筋肉に負担がかかり、膝や腰の痛みの原因となる場合が多いです。
筋トレを習慣化させていれば徐々に筋力がつき体を動かすことが楽しくなったり、筋肉が骨や関節を助けて体にかかる負担を軽減させてくれます。筋トレを習慣化させることで適度な運動にもなりますし、筋肉が付くと基礎代謝や血流の改善に繋がり良い事づくしです!
筋トレは脳内の神経組織を活性化させてくれる効果も期待できます。運動をすると血液の循環が高まり脳にも沢山の血液を送ることができるようになり脳が活性化されるのです。認知症の予防に最適ですし、気分転換にも大変オススメです!
高齢者が筋トレをおこなう時に気をつけること
高齢者が筋トレをおこなう上で一番気をつけていただきたいことは、絶対に無理をしないことです。
健康になりたいのに怪我をしてしまっては、元も子もありません!
また無理に負荷が強すぎるトレーニングをおこなって、頑張りすぎたことで一気に血圧が上がってしまうなどの危険性もあります。そんな時には数を数えながらおこなってみてくださいね!
体調は毎日同じではありません。日々変化していきますので、前日にラクにできたことが今日は辛いと感じることもあります。ぜひ、その日の体調と相談をして体に合わせたトレーニングと強度で行なうようにしましょう。
最後に、絶対に忘れてはいけない事は水分補給です!喉が乾いたと思った時には、脱水状態に陥っているという可能性も十分にあります。目安は最低でも15分に一度は休憩をおこない水分を摂るようにしましょう。
無理をすることなく、楽しんで筋トレに取り組んで快適な日常生活を送っていきましょう!
高齢者にオススメの筋トレ
それでは実際に筋トレをご紹介していきます!ここでは下半身を中心に4つのトレーニングをお伝えしていきます。先ほどお伝えしたように
○絶対に無理をしないこと
○水分補給をしっかりすること
○体調と相談すること
などを守りながら行いましょう。
足腰を丈夫にする椅子トレ
- 足幅は肩幅にして、椅子に座った状態から始めます。
- 息を吐きながら、ゆっくりと椅子から立ち上がります。
- 息を吸いながら、ゆっくりと椅子に座ります。
※勢いをつけておこなわず、ゆっくりとした動作を心掛けましょう。 - 10回を2セット目安におこないましょう。
※体力に合わせて回数やセット数は変えてください。
太ももの前側の筋トレ
- 背筋を伸ばし、足は肩幅にして椅子に座ります。
- 息を吐きながら、曲げている膝をゆっくりと伸ばします。
- 足を伸ばしたら5秒キープします。
- 足を元に戻したら5回繰り返し、反対側も同じようにおこないます。
- 5回を左右おこない、2セットを目安にしてみましょう。
太ももの内側の筋トレ
- 背筋を伸ばし椅子に座ります。
- 膝と膝の間に本やボールなどを挟みます。
- 挟んだ物を落とさないように、内側の筋肉に力を入れて15〜20秒キープします。
※筋力の強さによって、キープする秒数は変えてください。
お腹の筋トレ
- 背筋を伸ばし椅子に座ります。
- 片足膝の上に手を添えます。
- 足を上に上げつつ、膝の上に添えた手は足が上がってこないように上から押します。
※ポイントは姿勢を崩さずにおこなうこと。
※足や腕のトレーニングではなく、腹筋に力を入れるようにしてくださいね。 - 足を上げたところで5秒キープを左右交互に10回おこないましょう。
筋トレを習慣化して、高齢者とは言わせない!!
有名な話ですと、女優の森光子さんはスクワット150回(朝75回、夜75回)を毎日おこなって体力を維持していたのは有名な話です。やはり元気の秘訣は日々の体力づくりを怠らなかったことも関係しているのではないかと思います。
150回のスクワットは日々続ける事によってできるようになった努力の数字ですので誰もがいきなりできるわけではありません。最初は5回、10回から始めていき、日に日に1回ずつでも5回ずつでも増やしていけるように努力をしていきましょう!
日々衰えを感じるのではなく、少しずつ回数を増やして体が強くなる喜びを実感し、イキイキと若々しく生活をしていきましょう!
この記事を書いたコーチ
垣内 友里恵
日本女子体育大卒。スポーツパフォーマンス向上を得意とするパーソナルトレーナー。
自身も幼い頃から現在までバドミントンを続け、
より良いパフォーマンスを求めて日々鍛錬を重ねる。
その他にも、ゴルフ・マラソン・水泳をはじめとしたスポーツを楽しむ顧客を沢山抱え、
悩みや不調のない快適な身体作りを提供している。
得意な技術は肩関節のリコンディショニング。
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