インターネット上には様々なサイトがあって、その中には「身長を伸ばすためのストレッチ」などストレッチをすれば身長が伸びますというようなことを謳っているサイトもあります。果たしてストレッチで本当に身長が伸びるのか!?実際に試しつつ考えてみたいと思います。
このコラムの目次
1身長が伸びるとされるストレッチ
1−1大腿四頭筋のストレッチ
1 壁の近くに立ち、バランスを取りやすいようにする
2 片方の膝を曲げ、足首を持ってかかとをお尻に近づける
1−2ハムストリングスのストレッチ
1 椅子など高さのある台の上に片足を乗せる
2 体を正面に向け、背筋を伸ばしたままで体を前に倒す
この2つは太ももの表裏の筋肉を伸ばすストレッチです。骨盤の傾きに関係する箇所ですので、表裏のバランスが重要になります。
1−3腸腰筋のストレッチ
1 片膝を曲げて台の上に乗せる
2 乗せた方の足に体重をかけるように重心を前にしていく
足の付け根、股関節の前側についている筋肉です。ここも骨盤の傾きに大きく関係する筋肉で、特にデスクワークなど長い時間座っている方は硬くなっていくことが多い箇所でもあります。
1−4大胸筋ストレッチ
1 壁の近くに立ち、肩の高さで壁に手をつく(肘は軽く曲げた状態)
2 腕が動かないように体を開いていく
肩や背中と違ってあまり疲れを感じにくい筋肉ですが、実は硬くなりやすい筋肉です。左右同じように、バランスよく行いましょう。
検証!これらのストレッチで身長は伸びるか今回はこれらのストレッチをすると本当に身長が伸びるのか、実際にストレッチを行う前後で身長を測って検証してみたいと思います。
身長152,2センチのスタッフに協力してもらい、ストレッチの前後で身長を計りました。するとストレッチ後の身長はなんと153,2センチ!ちょうど1センチ身長が伸びるという結果になりました。たった4つのストレッチだけ、時間にしたら5分もかかっていません。どうやらストレッチで身長が伸びるというのは本当のようです。
成長期に身長が伸びる仕組み
ストレッチでなぜ身長が伸びるか…の前に、身長が伸びるとはどういうことなのかを説明していきます。簡単に言うと、身長が伸びる=骨が伸びるということです。つまり身長の伸びとは骨の成長と関係があるということ。成長期に身長が伸びるのは、骨が成長し長くなっていくからなのです。
骨には「骨端線」と呼ばれる骨の端の軟骨部分があり、骨の成長は全体的に伸びていくのではなく、この骨端線で新しい骨が作られる(骨芽細胞)ことで成長していきます。思春期の頃はこの骨芽細胞の働きが活発になるのでどんどん身長が伸びますが、大人になると骨端線自体が閉じてしまうため身長は伸びなくなるのです。
これはホルモンの働きで身長が伸び続けることがないように、体が成長すると骨端線が閉じる仕組みになっているからだそう。身長を伸ばそうと思ったら、成長期の骨端線が閉じてしまう前が勝負ということですね!
ストレッチで身長が伸びる秘密
おまたせしました!ではなぜステッチで身長が伸びたのか種明かしです!
それは…ズバリ「姿勢が改善される」から!姿勢を良くしようとして頑張って背筋を伸ばしたとしてもそれは一時的なもので長続きしないですよね。骨盤の歪みや猫背など姿勢が悪い状態というのは、人の本来の姿勢をゼロとした場合マイナスの状態になっていると言えます。
背中や腰が丸まっていたり関節が伸びていなかったりすると、本来の身長より見た目的に身長は小さく見えてしまうのです。ご存知の通り、ストレッチは姿勢を改善する効果があります。特に今回紹介したストレッチは姿勢を改善する上では欠かせないものばかり。ストレッチで身長が伸びるのでは無く、縮まって見えていたものを正しい姿勢へと導くことで伸びたように見える(ゼロがプラスにするのではなくマイナスをゼロに近づける)というのが正しい言い方かと思います。
なので実際に身長が伸びる訳ではありませんが、見た目には多少変化があるでしょう。ちなみに先ほどストレッチで身長が1センチ伸びたスタッフも、夜には元の身長に戻っておりました。
成長期にもストレッチは大切!
大人になって身長を伸ばすのは難しく姿勢を矯正するくらいしかありませんが、成長期の子供は違います。大人と同じように、正しい姿勢を作って骨格が歪まないようにすること
で成長を妨げず身長は伸びやすくなると言えます。また、ストレッチによって血行が良くなれば成長ホルモンの分泌も促されるのでその点でも身長を伸ばすのに効果はあるでしょう。
もちろんそれだけで身長が伸ばせる訳ではないので、特に成長期では食事や睡眠など他の要素も考慮しなければならないこともお忘れなく。
ストレッチの効果として「身長が伸びる」と謳ってしまうのは私個人的にはおかしいかな?と思ってしまいますが、姿勢が改善されることで今よりも少しだけ身長が高く見えるようになることは事実です。
何より姿勢が悪いというのは単に小さく見えるというだけでなく、頼りなさそう・自信がなさそうなど相手に与える印象としてはあまり良いとは言えないと思います。ストレッチで本当に変えられるのはそのあたりなのではないでしょうか。
この記事を書いたコーチ
この記事を書いたコーチがいる施設
この記事を読んだ方にオススメの記事