○子供の腰痛の原因が知りたい方
○スポーツで起こる腰痛の解消法を知りたい方
に向けた記事です。
スポーツや部活動を行っていると様々な怪我がつきものですが、成長期の中高生の体の痛みは特に気をつけてあげなければなりません。
今回はスポーツを行う上でかなりの子が悩む腰痛について、その原因を年代別に解説していきます。
原因が分かればどのように予防するか、どこに注意して見守れば良いかも分かってきますので、ぜひ参考にしてみてください。
・高校生に起きやすい腰痛の原因
・スポーツをしている学生に起きやすい腰痛の種類
・腰痛予防ストレッチ3選
では解説していきましょう!
このコラムの目次
1年代別、スポーツをしている子供がなりやすい腰痛の原因
まず始めに、スポーツで腰痛になってしまう原因を年代別で見ていきたいと思います。
1−1スポーツをする中学生に多い腰痛の原因
原因①筋力不足
スポーツを本格的に始めるきっかけが、中学校の部活動というお子さんも多いと思います。
今まで外で遊んだり体育で体を動かすことはあっても、2〜3時間ほぼ毎日のように体を動かすのは、
まだ筋力が発達していない子供にとってはかなりの負担です。
それもスポーツの特異的な動作となると、急激に筋肉や関節に負荷がかかってくるでしょう。
中学生頃にはそれが原因で腰痛になっていることが考えられます。
もちろん部活動の指導でも筋力トレーニングは取り入れていると思いますが、
限られた活動時間の中であまりトレーニングに時間を裂けない場合もあります。さらにスポーツを始めたばかりの子供にとっては、
筋力トレーニングなどの地味な練習は敬遠されがちです。
スポーツの競技力向上だけでなく、腰痛などの怪我を予防する大事な役割があるということを
正しく理解させた上でトレーニングに取り組ませると良いと思います。
原因②成長期
個人差はありますが女の子なら中学校3年生くらい、男の子なら高校1年生か2年生くらいまでが成長期と言われています。
この時期には骨自体が成長して体が大きくなっていくわけですが、成人の大人よりも非常に弱い状態です。
そのような状態で関節に負荷をかけすぎることで腰痛などのスポーツでの障害が起きてしまいます。
また、これは中学からバスケットボールを始めた私自身の経験談です。
当時から体が大きい方だった私は、自分の体を支えるだけの筋力がついておらず、
バスケットボールという激しい運動を毎日続ける中で常に腰痛を感じるようになっていました。
当時は整形外科や接骨院に通わせてもらったりもしましたが、今思えば単に筋力がなかったことが原因だったんだなぁと思います。
あの頃の自分に腰痛の原因を教えてあげたいですね。
ちなみにこの頃は先輩が怖いから休みたいと言えない…とか、みんなに悪いから休みたくない…のように痛いけど言えない子供もいます。(私も最初はずっと我慢していたら悪化しました)身長が伸びた・体重が増えたというだけでも運動をする上でどこか痛みが出るかもしれません。
走り方投げ方のフォームが変わるというのも腰痛をはじめとするスポーツでの障害が起きている可能性があります。
このような子供からのサインを親が見逃さないように見守りましょう。
1−2スポーツをする高校生に多い腰痛の原因
原因③オーバーワーク
オーバーワーク、つまり使いすぎが原因でも腰痛は起こります。中学生と比べて部活動の時間も増えるでしょうし、より本格的な練習なども増えてくる高校生はオーバーワークに気を付けなくてはなりません。
例えばバスケットボールのような低い姿勢で構えたりダッシュ・ストップが繰り返されるようなスポーツや、野球のバッティング・ピッチングのように同一方向にしか動かさないスポーツはオーバーワークが原因の腰痛になりやすいと言えます。
使い過ぎが原因なので休ませるのもそうですが、野球などのスポーツの場合は右投げの人は左投げ・右打ちの人は左打ちのように逆のフォーム練習も取り入れることで、左右のバランスを良くするという方法があります。
2スポーツを頑張る子供がなりやすい腰痛の種類
ここまでいろんな腰痛の原因を挙げてきました。次では中高生に多いスポーツでの腰部の障害を簡単に解説します。
2−1【スポーツで起きる腰の障害①】筋膜性腰痛
骨に異常がなく、しびれなどもない。ほとんどの腰痛は筋膜性腰痛と診断されます。
オーバーユースによる過度の筋疲労、左右の筋力・柔軟性のバランスが悪いことなどが原因で起こるので、
痛みの程度によっては休ませることも必要です。
捻る・かがむ・ジャンプの着地などスポーツの動作のほとんどが原因になるので、やはりやり過ぎには要注意です。
2−2【スポーツで起きる腰の障害②】腰椎分離症・すべり症
腰椎分離症は腰椎という腰の骨に亀裂が入り、分離するスポーツでの障害です。要は疲労骨折と同じ感じですね。
一度の大きな衝撃で起こることもありますが、オーバーユースが原因で起こることが大半。
体幹を捻る動作やかがむ・反る動作が多いスポーツでよく起こります。
さらに分離した腰椎が横にずれる(すべる)ことで起きるものをすべり症と言います。
2−3【スポーツで起きる腰の障害③】椎間板(ついかんばん)ヘルニア
この中では一番重症度の高いスポーツ障害がこの椎間板ヘルニアです。
これは腰椎と腰椎の間でクッションの役割をしている椎間(ついかん)というところで起きます。
腰を捻る動作や反る動作などでこの椎間板に過度の負荷がかかり、その中にある髄核(ずいかく)が椎間板から後方に飛び出てしまう。
これが神経を圧迫することが原因で腰の痛みだけでなく足のしびれも引き起こしてしまうのです。
重度になると手術をしなければならないケースもあります。
3スポーツで起きる腰痛、原因は様々!大事なのは予防です
これらのスポーツで起きる腰痛、一度なってしまうと長期間部活を休まなくてはならなくなったり、腰痛をかばった動きになって他の場所の怪我につながったりと良くないことだらけ。ではどうしなければならないのでしょうか?
3−1筋力トレーニングは腰痛予防としても
筋力をしっかりとつけて自分の体を支え、そのスポーツの動きに対応できる体づくりをすることは
腰痛を始めスポーツでの障害を予防する上でとても大切なことです。
スポーツを始めたばかりだったり、より上手くなろうとすると技術力向上のための実践的な練習ばかりになりがち。
そこで筋力トレーニングをなぜしなければならないのか、子供にもしっかりと理解させる必要があると思います。
トレーニングはそのスポーツの競技力向上はもちろん、より強い体で腰痛などの怪我をしないようにするために
大切であるということを教えてあげましょう!
3−2腰痛の原因は柔軟性にも!ストレッチで腰痛予防
筋力トレーニングと同じくストレッチも腰痛を始めとしたスポーツでの障害予防に効果的です。
この時期に起こる腰痛の多くは、スポーツ動作の捻る動作や曲げる・反る動作で腰椎に負担がかかりすぎることが原因です。
筋肉の柔軟性があってこれらの動作の可動域が広ければ、腰椎の負担を軽くすることができます。
それには腰だけでなくお尻や股関節の柔軟性を高めることが必要ですので、
部活動の時間以外に家でもストレッチの習慣をつけると良いでしょう。
【腰痛・スポーツ障害を予防するストレッチ①】お尻(大臀筋)のストレッチ
① 仰向けになり、右膝を抱えるように持つ
② 右膝を左肩の方向に引き寄せる
③ 反対も同じように行う
お尻の筋肉が硬くなるのも腰への負担が増えて腰痛を引き起こす原因になります。
あまり痛くなることはない箇所ですが、腰痛予防には大事なストレッチです。
【腰痛・スポーツ障害を予防するストレッチ②】股関節(腸腰筋)のストレッチ
① 足を前後に大きく開き、後ろの膝を床につく(硬い人はここで伸ばす)
② 後ろ足の足首を持ち、お尻の方に引き寄せる
③ 反対も同じように行う
腸腰筋という足の付け根の筋肉が硬くなると股関節の可動域が狭くなるだけでなく、腰が反りやすくなります。
それが原因で単なる腰痛だけでなくヘルニアなどのスポーツ障害を引き起こしやすくしますので、
このストレッチもかなり重要。お尻のストレッチと合わせて、バランス良く行いましょう!
【腰痛・スポーツ障害を予防するストレッチ③】腰のストレッチ
① 仰向けで右足を持ち上げる
② 持ち上げた右足を体の左側に下ろす
③ 両肩が床についた状態を保ち、大きく捻る
④ 反対も同じように行う
最後に体を大きく捻って腰や背中の筋肉を伸ばします。左右バランス良く行って腰痛を予防しましょう。
既にヘルニアなどになってしまった場合はやらない方が良いことがあります。
そのような場合は病院の指示に従い、ストレッチはあくまでも予防として行ってくださいね。
スポーツで起きる腰痛の原因と予防まとめ
腰痛の原因となるものは様々ありますが、年代によって気をつけるポイントは少し違ってきます。
一度腰痛を起こすと治るのにも時間がかかりますし、かばうことで変なクセがつき、その後の競技人生も変わってしまうかもしれません。
親は予防することの大切さをしっかりと理解し、お子さんには怪我なく楽しい部活動・スポーツライフを送ってほしいと思います。
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