このコラムの目次
1ストレッチで筋肉痛になることはあるの?
ずばり個人差はありますが、ストレッチで筋肉痛になる可能性はあります。ストレッチをして筋肉痛になりやすい人の特徴として、運動する機会がない方に多く見られる傾向にあります。
1−1ストレッチで筋肉痛になる理由
ストレッチの大原則として、筋肉を伸ばす動きがメインになります。しかし、ストレッチは伸ばしている筋肉の裏側に当たる筋肉は、反対の動きをするので筋肉が縮んでいる状態になっています。
そのため、ウォーキングや軽い自重トレーニングのような筋肉の使い方をします。運動強度としては比較的低いものになりますが、普段ストレッチや歩く機会がない方にとっては、日常生活では使わない筋肉を動かしていくので、たくさんの筋肉に刺激が入るので、筋肉痛を引き起こしてしまうのです。
1−2ストレッチで筋肉痛になりやすい人
運動する機会がない方、デスクワークなど常に同じ姿勢でいることが多い方は、日常生活で筋肉を動かせていないことが多いので、ストレッチのような軽い刺激でも筋肉が強度の高い運動のように感じ筋肉痛になってしまいます。
2ストレッチによる筋肉痛を防ぐには
まず、ご自身の柔軟性を把握して、正しい強度や呼吸などいくつかのポイントを意識して行う必要があります。これから4つのポイントをご紹介していきます。
2−1正しい強度で!
柔軟性は個人差があるものです。
そのため、痛気持ちいいなと感じるくらいの強さで行なって頂けると、柔軟性を上げやすくなります。痛みを強く感じ、無意識に呼吸が止まってしまったり、皮膚が切れそうな感覚で行ってしまうと、リラックスして伸ばせなかったり、伸張反射という反射が起こり、筋肉が固まってしまうので、強く行わないようにしましょう。
2−2呼吸をしよう
最初は大きく息を吸ってゆっくり吐きながら、伸ばすようにしていきましょう。
息を吐ききったら、呼吸は止めずに自然に吸ったり吐いたりしていきます。呼吸を止めてしまうことで、身体は緊張状態になってしまい、筋肉が固くなり十分にストレッチの効果を出すことができなくなってしまいます。
2−3伸張反射
伸張反射とは、筋肉が強く伸ばされると、筋肉が伸ばされて怪我をすると認識してしまい、これ以上筋肉が伸びないように抵抗します。
この状態を伸張反射と言います。
この機能は身体にとっては大切なのですが、柔軟性を上げていくためには少しだけ、邪魔になってしまいます。そのため、伸張反射が起こらないように、ゆっくりとストレッチを行うことが大切です。
2−4やりすぎに注意
早く柔軟性を出したいからといって、1日に強度の高いストレッチを何回も行うと、筋肉が疲労や炎症を引き起こしてしまい、筋肉痛のような痛みが伴います。
前屈などのストレッチをする際は、目安として運動を行った日は、1日2回くらいでいいかと思います。また、運動を行っていない日では、入浴後や寝る前など1日に1回程度から始めて、身体がストレッチに慣れてきたら頻度を増やしていってもいいと思います。
3筋肉痛の時にストレッチはOK?
ついつい筋肉痛の時は、身体が痛くてストレッチどころではないかと思います。むしろストレッチはやって頂きたいです。
しかし、以下のよう3つの注意点があります。
3−1筋肉痛の度合いに気をつける
寝ている状態などあまり動いてない場合で、痛みが強く伴う筋肉痛を引き起こしている場合には、ストレッチはあまりオススメはできません。筋肉痛とは、筋肉に炎症や傷がついてしまっている状態なので、その状態でストレッチをしてしまうと、かえって筋肉痛を悪化させてしまう場合があるので、注意が必要となります。
3−2徐々に伸ばそう
筋肉痛が起こっている状態では、いつもより筋肉に張りがあったり、いつもより痛みをすぐに感じたり、強く感じる場合があります。そのため、いつものような強度で伸ばすのではなく、ゆっくりじわじわと伸ばすようにしましょう。あくまでも、筋肉痛の状態を見てストレッチしていくことが大切です。
3−3筋肉痛の早期回復にもOK!
ストレッチをすることで、筋肉痛を和らげたり少しずつ回復させることができます。
特に運動直後のストレッチは、筋肉痛緩和と早期回復に効果的です。筋肉痛が起こる部分は筋肉が固まってしまうため、緊張を取って血行促進を図る必要があります。プロにマッサージやストレッチなどをやってもらえるのが理想ではありますが、セルフでストレッチなどのケアができるようになると、筋肉痛の回復は早くなります。
筋肉痛になってしまうと、動かなくなってしまうこともあるかと思いますが、ウォーキングやストレッチなどで身体を動かしたり、温めていくことで筋肉痛の早期回復が見込めます。
4筋肉痛の予防としてのストレッチ
トレーニングなどの強度や身体状態にもよりますが、動かした部位を少しずつストレッチをすることで、強い筋肉痛になるリスクを弱めてくれます。
4−1トレーニング後のストレッチ
トレーニング後にストレッチをすることで、疲労回復や筋肉痛を始め身体への負担を軽減させる働きがあります。特に、ウエイトトレーニングや強度の高い運動を行うことで、筋繊維や靭帯、腱などに負担がかかってしまい、疲労を感じやすくなってしまいます。
運動の後は、筋肉が張ってしまっていたり、疲労の原因となる物質が身体の中に蓄積していってしまいます。そのため、ストレッチを行い緊張してしまった筋肉を緩めて、血流を改善させて疲労物質を排出しやすくする必要があります。
また、トレーニングなどの運動を行うことで、心拍数が上昇し血液が全身を巡ります。特に運動強度が高いものだと、心臓から多くの血液が巡るので、急に運動を辞めてしまうと、心臓から出た血液が戻りにくくなり、貧血やめまい、吐き気のなどの原因にもなってしまうので、トレーニングや運動後にはストレッチなどで、ゆっくり運動強度を下げるようにしましょう。
4−2筋肉痛を治すことはできない
ストレッチをしたからと言って、筋肉痛が治るのは難しいです。あくまでも、筋肉痛の緩和やひどい筋肉痛を予防するものになります。
疲労の物質や筋肉痛を誘発させるものを極力排除して、上手く循環できるようにするのがストレッチの役割です。トレーニングなどで筋肉がダメージを負ってしまい、ストレッチをすることで、筋肉を修復できると思っている方もいるかと思いますが、実はそうではありません。
もしろ、頑張り過ぎてダメージを受けた筋肉に、より一層傷をつけてしまうこともあります。筋肉を修復させるには、しっかり睡眠をとったり、たんぱく質を多目に取ったり、トレーニング当日以降は温めることも必要です。
4−3痛みを和らげる
筋肉痛が出ている状態で何もしないのは、正直きつい部分あるかと思います。
何とかして筋肉痛を和らげたい時は、強度の低いものを行い、あくまでも筋肉痛の痛みを和らげることに特化していくことも大切です。例えば、上半身の筋肉痛が辛い時は、軽くからを回す動きなど行うだけでも違います。
あくまでもストレッチは、筋肉痛の痛みを和らげるものということを認識して、やり過ぎたりしないようにしましょう。
5終わりに
上手くストレッチを利用することで筋肉痛からの回復が早まり、日常生活への負担も軽減できます。また、自分の身体の状況も把握できるようになるので、トレーニングの質の向上にも繋がっていきます。身体にとってもいいことずくめなので、ぜひポイントをしっかりと押さえてストレッチをしてみて下さいね。
この記事を書いたコーチ
柴田 卓慧
この記事を書いたコーチがいる施設
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