様々な健康法がある中で、朝食を取るということは基本中の基本とされていますが、昔との生活習慣の変化などから朝食を全く取らないという人の割合が多くなっています。そこで今回は、朝食の役割やその重要性について改めて考えていきましょう。
このコラムの目次
朝食の役割その1:栄養補給
夕食から朝食までの間は1日の中で最も食事の間隔が空いてしまうため、朝の体は栄養不足になりがちです。そのため、朝食を取ることでしっかりと1日に必要な栄養を補給する必要があります。体を動かすエネルギー源となる糖質(ご飯やパン)や筋肉など体を作るために必要なタンパク質、そしてその吸収のために必要なビタミン類などを取るのが理想です。その点、昔から一般的とされる日本人の朝食はご飯・みそ汁におかずが1〜2種類と、朝にとるべき栄養素がほとんど取れるので、昔の人の知恵というのは本当にすごいんだなと驚かされますね。
朝食の役割その2:生活リズムを整える
人間の体には体内時計という機能が備わっています。これはサーカディアンリズムと言って一日の生活リズムを刻むというような機能なのですが、この体内時計が脳と体のあらゆる箇所にあると言われており、体を整える役割を果たしています。しかしこの体内時計は24時間よりも少し長い周期なので、そのままにしておくとズレが生じます。なので1日でリセットする必要があるのです。
このうち、脳にあるいわゆる体内時計は日の光を浴びることでリセットされます。日の光を浴びることで脳が「朝だ」と認識するのです。そしてその他にある体内時計は朝食を取ることでリセットされます。
つまり朝食を取らないということは体内時計がリセットされず、脳は朝だと認識しているのに体は活動する準備ができていないということになります。午前中はなんとなく体がだるい、仕事がはかどらないという方は、もしかしたら朝食を取らない習慣のせいかもしれません。
朝食の役割その3:体温、代謝を上げる
ダイエットのために朝食を抜いているという方も少なからずいると思いますが、それは万人に効果的かと考えるとそうでない場合があるのであまりお勧めできる方法ではありません。確かに朝食を取らないことで摂取カロリーを減らすことはできますが、デメリットもあるのです。
消費カロリーを決める基礎代謝は午前中が一番低く、正午にかけて上がっていくということをご存知でしょうか。このように体が目覚め、活動的になるまでには時間がかかるのものなのですが、朝食を取ることで早い時間から代謝をあげることができます。
また、体のメカニズムで言うと朝食を抜くことで前日の夕食からの時間が開き過ぎてしまい空腹時間が長くなります。そうすることでインスリンが大量に分泌され、膵臓への負担が増えるので糖尿病のリスクが高くなるとも言われています。ちなみに先に言ったダイエットに関しては朝食を取った方が良いか取らない方が良いかは賛否両論、どちらが良いとも言えない部分があるのですが、「健康的な生活」を考えたらしっかりと朝食を取った方が良さそうです。
朝食を取る生活をするためには?
朝食を取らない理由としてあげられるのは、「朝は時間がない」「お腹が空かない」などでしょうか。その状態で無理やり朝食を食べる必要があるかと言われるとそうではありません。
この場合、見直す必要があるのは生活習慣です。多くの人は、3食(または2食)の食事のうち夕食の量が一番多くなっています。さらに、それを食べる時間が遅いので、食べてからあまり時間をおかずに寝ることになってしまいます。そうすると、以下のような負のループに陥ります。
寝ている間も消化のため内臓が働き続ける
↓
体が休まらず疲れがとれない
↓
朝スッキリ起きれない、お腹も空いていない
というようなことが起こります。つまり、変えるべきは朝食を無理やり食べようとすくことではなくそもそもの生活習慣であり、食事のバランスなのです。とはいえ、仕事の関係などで遅い時間にしか夕食を取れないという方がほとんどでしょう。そのような方は、「分食」がおすすめです。
帰宅が遅くなりそうだなという日は、夕方頃におにぎりやパンなどの糖質を摂取します。これはお腹が空いた状態で残業するよりも脳にエネルギーが供給されて仕事も効率良くなる!という効果も。そして帰宅後はサラダや汁物など、あっさりしていて消化も良いものを食べるようにして、寝ている時の内臓への負担ができるだけ少ない状態にしましょう。それだけで朝スッキリと目覚めることができますし、気持ち的にも体的にも朝食を取る余裕が生まれます。
食事で大切なこと
食事を取る上で大切なのは、栄養のバランスと総摂取カロリー、そして時間です。今回は朝食がテーマということで、その中でも「時間」の大切さに改めて気づかされました。食事をする時間・前の食事からどれだけ時間が空いているか、時間が空いてしまう時はどうすれば良いか…
これらを考えれば、不規則な生活習慣の場合でも今より少し気を使った食生活にできそうですよね。そして同時にわかったのは日本伝統である1日3食。朝食もしっかり取るというのが一番の理想系であるということ。先人の知恵というのは本当に素晴らしいんですね。今を生きる私たちも、生活に合わせて健康的な食生活を送りたいものです。
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